恩師の訃報

9月中頃、一通のメールが届きました。

以前、千裕先生の弾き合い会でご一緒させていただいた方からでした。

このたび、先生が逝去されたとのこと。

正直、そのことをブログに書くなんてどうなのかなとも思いました。

でも、以前、先生にお世話になったことなどはブログにも書いていたこともあり、何も触れないのも大変失礼かなとも思いまして、ご冥福をお祈りするとともに、先生に感謝していることをここに記したいと思いました。

私が先生を知ったのは、まだ香港にいらしたときの7、8年ほど前。

ネットで自分のピアノの先生を探しているときに、先生のメルマガにたどり着きました。

そのとき、先生は香港に在住されていましたが、とても素敵な文面で、素敵な人柄が伝わってきていましたので、メルマガを拝読させていただいておりました。

ご縁あって、コロナ禍になる直前の3年前に、はじめてレッスンを受講させていただくことになりました。はじめてのレッスンは誰でも緊張しますよね。

私もそうでした。ピアニストとしても活躍されていた先生なので、お忙しいはずなのに、はじめましての私にとてもきめ細やかなフォローや、レッスンを受けやすくなるために何度もメールをくださったりして、とても親身にしてくださいました。

先生は、今までのレッスンで経験してきた指導法など、出し惜しみすることなく、すべてを教えてくださったり、私自身にも進むべき指針を与えてくださったりと、本当に素敵な出会いでした。

3年前にはじめてレッスンを受けさせていただいてからは、何度か、大人の弾き合い会にも参加させていただき、色んな方とお話したり、知り合うきっかけもいただきました。

先生に出会うまでは、ピアノが大好きだから練習するというよりは、レッスンがあるからレッスンのために練習するという感じだった気がします。

ですが、先生と出会ってからは、練習することの楽しさを再確認できるようになり、レッスンがあってもなくても関係なくとにかく弾きたい!という気持ちでしたし、自分で音楽を作り出していく楽しさを感じるようにもなりました。

先生は、今年度に入ってから、体調が思わしくないと知り、体調が落ち着いてからレッスンをお願いさせていただこうと思っていましたのに、そのままお会いできぬままとなってしまいました。

たくさん、お礼も言いたかったですし、まだまだ教えてほしいこともたくさんありました。

突然のお別れというのは、本当に悔いが残ります。。。

今度会った時に伝えよう と思っていても、それが叶わないこともある。

先生は、体調が思わしくない中でも、体調が良くなった時のことを考えて、コンサートの計画を立てていらしたそうです。

私は、弾きたい曲も、やってみたいことも、「できない」と思ってしまったり、挑戦すらしていなかったりしていますが、先生は「やりたい」という気持ちで前を向いていたんだろうなと思うと、後ろばかりみて自分の限界に挑戦しない自分が恥ずかしくも思います。

短い期間でしたが、先生のレッスンを受けることができ、人生で大きな財産となりました。

先生に見てもらった曲、弾き合い会の曲は、先生とのことを思い出してしまい、まだまだ辛いです。

先生、ありがとうございました。

もっと頑張りますので、見ていてくださいね。

ご冥福をお祈りいたします。