ピアノを受験でお休みするときの考え方|やめずに続けるためにできること
受験のため、しばらくピアノをお休みすることになった小学6年生。
1歳のリトミックから通ってくれて、もう10年ほどのお付き合いです。
楽しく通ってくれていた時期もあれば、新しい習い事や塾が始まり、ピアノに来るのが大変だったり、モチベーションが下がっている時期もありました。
そんな姿を見て、我が子たちにもあるある!そんな時だな、と思いながらレッスンしていました。
私は、「成長している証」と知っているので、ピアノは気分転換に来てくれたらいいな、と思っていました。
親だから話せる気持ち、他人だからこそ響く言葉があります。
今まで継続して出てきた発表会も、本人にとってはプレッシャーになっていたのかもしれません。
「いいんだよ。発表会でなくても!」
もちろん、発表会という目標を立てて頑張ることも大切です。
出ることで見える景色や、やる気が出ることもあります。
でも、発表会があることで「ピアノやめたい」と思い詰めるくらいなら、出なくてもいいと私は思っています。
その話をした後は、笑顔も増え、レッスンでも色んな曲を弾き、ピアノを楽しむ姿が伝わってきました。
そんな話を二人でしてからは、すっかり笑顔も増え、レッスンでも色んな曲を弾いたり、ピアノを弾くこと、そして弾けなくても、楽しくレッスンに取り組んでることが伝わってきました。
そんな生徒さんだったからこそ、
最後のレッスンでは、色んな事をして、「ピアノ楽しかった!」と思い出してもらえるように、まずは音楽パズルを一緒にやりました。
復習にもなるなと思っていたら、自分から、
「学校では音符も読めるし、音楽用語もわかるほうなんだよね~。でもリコーダーは苦手。」
そんな話もしてくれました。
「お休み」は、終わりではなく通過点
子どもたちがピアノを続ける中で、
勉強や部活、受験などで立ち止まることがあります。
それは、決して“やめる”ことではなく、
自分と向き合うための時間なのだと思います。
ピアノをお休みすることで、
改めて「やっぱり音楽が好きだった」と気づく子も多いです。
そしてその気持ちが、
次にピアノに向かうときの大きな力になります。
最後のレッスンで伝えたかったこと
この日は、連弾もしました。
思春期でもあるので、先生と連弾も恥ずかしいかななんて思いましたが、そこは優しさに付け込んで。笑
簡単に弾ける曲を数曲選んで一緒に弾いてくれました。
短い曲でしたが、一緒に弾いた音はとても優しくて、
私が伝えたかったのは、
「これだけ弾けるようになったんだよ。それってすごいことなんだよ。」
そして、
「音楽は、どんな時もそばにあるよ」ということ。
ピアノをお休みしても、音を感じる心は消えません。
その心を、ずっと大切にしてほしいと思いました。
音楽を好きでいてくれることが、いちばんの願い
受験が終わって、その時の気持ちが別のことを頑張りたいと思うか、ピアノにまた行こうかなと思うかは、その時にならないとわからないですよね。
そんな寂しさも、ぐっと堪えて。
でももし再びピアノに向かう日がきたら、
「まってたよ!おかえり」と笑顔で迎えたいと思っています。
ピアノを通して感じた“楽しい”“できた”“好き”という気持ちは、
子どもたちの中にちゃんと残ります。
だから私は、待つことを大切にしています。
ピアノをお休みする日も、
その子にとっての“人生”の一部。
大人になって、
「実はピアノ習ってたんだ」
なんて、話してくれて、ピアノ教室のことを思い出してくれたらいいなと思っています。
「ピアノをお休みしても、音楽はずっとそばにある」
そう信じられるような教室でありたいと思います。
