1分でも、ピアノの前に座る習慣を

ピアノを弾いていると、いつもうまくいくわけではありません。
思うように指が動かない日もあるし、練習をしたくない時もあります。

さらに大人になると、体調が良くない時もあれば、家族の急な用事が入ったり。

弾こうと思っていても、弾けなかったり。

それでも、とにかくピアノの前に座ります。
ピアノの前に座ると、気づけば夢中になって弾いていて、気が付けば時間が経ってる。


それが私にとっての「ピアノ」です。

好きな曲は、何度も何度も繰り返し弾いてしまうし、
テレビで素敵な曲が流れると、思わず楽譜を探してしまう。

そんな曲ばかり弾いてると、クラシックに戻りたくなり、あれこれ手あたり次第弾いてみたり。


さらに、

ピアノを頑張っている人の話を聞くと、
「私ももっと頑張らなくちゃだなぁ」と思います。

そして、これまで弾いてきた曲たちは、その時の気持ちや出来事を思い出させてくれる宝物です。

“小学校の時の合唱で歌ったなぁ”
“空き時間、音楽室で弾いてみんなで笑ったなぁ”
“高校生のとき、めっちゃ大変だったけど、この曲仕上げたなぁ”
などなど。

楽しかったこと、悔しかったこと、誰かと笑い合ったこと。
ひとつひとつの音が、人生の中の小さな記憶として積み重なっていきます。

そして、ピアノを通して出会えた人たちがいます。

音大のお友達、お世話になってる先生方、ピアノ教室に通ってくれてるピアノの生徒さん、そして保護者の方々、音楽をやってたからこそ仲良くなれた方たち。

音楽があるからこそ生まれたつながりに、何度も救われてきました。

私が生徒さんに伝えたいのは、「上手に弾けること」が一番大事なわけではないということ。
上手く弾けなくても、気分が乗らなくても、1音弾けば心を整えてくれるピアノ。

練習はもちろん大変な時もあると思います。

でも、こんなにいつまで経っても、自分がまだまだだなと思えて、弾いたことのない曲がたくさんあって、大人になっても上を目指せる習い事ってなかなかないと思います。

完璧じゃなくていい。
毎日じゃなくてもいい。

たとえ短い時間でも、音に触れることが、心の拠り所になる。

「1分でも、音に触れる時間を大切にしてほしい」

そんな風に思っています♡