子どもが大きくなるとピアノを聴く機会が減ってる…一年に一度成長を感じる場を大事にしたい
子どもが成長してくると、
親が「ピアノを聴く機会」は、少しずつ少なくなっていくと、最近感じることが多いです。
小学生の頃はそばで見守っていた練習も、
高学年や中学生になるとヘッドホンを使ったり、別室で弾いたり。
もちろん、忙しさから練習量が減ったりもします。
すると、親は、
「いま、どんな曲を弾いているんだろう?」
「レッスンでは頑張れているのかな?」
という気持ちが出てきます。
実際に私の教室でも、
「家で弾かないので、そろそろ辞め時かなと悩んでいます」
「一年に一度でも舞台で聴けるのが、とても嬉しいんです」
という、どちらの声も届くことがあります。
そのどちらも、心からよくわかるのです。
親が「ピアノを聴けない」時期
実は、私自身も娘のピアノの練習をほとんど聴いていません。
レッスン中は別室で練習。
レッスンがない時は防音室。
気づけば、一曲通して演奏を聴かずに本番の舞台で演奏を聴くなんてことも。
だからこそ、
発表会や学校で伴奏する姿を聞くと、
「こんなに積み重ねてきたんだ」「頑張ってるな」「ピアノ好きなんだな」
と親として「続けてきてよかったな」と温かな気持ちになります。
子どもが家で弾かなくなる
小さい頃は
「見てて!」「聞いてて!」
と親の存在がエネルギーになります。
でも高学年・中学生になると、
少しずつ世界が広がっていきます。
・思春期で“親に聞かれたくない”
・部活や塾で時間が取れない
・ミスを聞かれたくない
・上手く弾けるようになってから聴いてほしい
・ただ単に忙しい
家で弾いていても“聞こえないだけ”のことが多くなります。
イヤホンや別室での練習は、 自立のサイン でもありますが、
毎日一緒に過ごす親からすると、どうしても不安になりやすいんですよね。
親が「成長が見えない」と感じる理由
小学生の頃は、家で音が聞こえていたからこそ、ピアノの上達が耳で見える時期でした。
でも成長とともに音が聞こえなくなると、
・本当に練習しているの?
・どんな曲をやってるの?
・楽しめている?
・レッスンちゃんと弾いてるのかな?
・発表会に出ないと成長がわからない
と、見えない部分が多くなり、
不安や迷いにつながることがあります。
とくに
「このまま続けさせていいのかな?」
という気持ちは、親としてとても自然な感情ですよね。
なぜ「一年に一度」が大切なのか
練習をしていてもしていなくても、レッスンでは復習しながら前に進んだり、こどもたちの「弾きたい」の気持ちを引き出せるようにしています。
・姿勢
・音色
・表現
・読譜力
・集中力
・心の成長などなど…
ただ、毎日聞いている親は成長に気づきにくいんですよね。
だからこそ、一歩離れて我が子の成長を見ることができる場所や、そして、一年に一度「成長を感じられる場」があることは、
親子にとってとても大切な時間 なのではないかなと改めて感じています。
とはいえ、人前で弾くことが苦手な子もいるので、発表会はやっぱり任意にしたいなと思っていますし、ピアノは親のためじゃなく自分のために楽しんでほしいなとも思っているのですが、習わせていただいてる保護者の方に何かより添える形も取り入れていけたらと思いました。
ピアノが「単なる習い事」から成長と共に「人生の色どり」「息抜き」「自分時間」へと変わっていきます。
どれだけ上手に弾けていても、好きでなければ続けられない。
好きな気持ちを育てつつ、お子さまの「好き」が保護者の方にも伝わるようなピアノ教室にしていけたらと思っています。
