合唱祭シーズンに育つ力|ピアノ伴奏が子どもにもたらす自信と成長

秋は、学校の合唱祭シーズンですね!

市川市の小学校は「市内音楽会」といって、市川文化会館の大ホールで歌う機会があります。

歌は本当にいいですよね。

皆が一つになって一つの音楽を奏でる。

どれだけ勉強が大事でも、この時間だけは無くならない、人にとってなくてはならない時間だと思います。

さて、今年も、

「クラス伴奏に立候補したい」
「今年は学年伴奏を目指したい」


っと、レッスンで話してくれる生徒さんがいました。

挑戦することがとても嬉しく、好きな気持ちが伝わってきて、その話を聞くだけで幸せに思います。

そして今年も、たくさんの生徒がこの舞台に挑戦しました。


中学生3名がクラス伴奏

中学生2名・小学生4名が学年伴奏

そして小学生1名が全校伴奏という大役をつとめました✨

もちろん、舞台で弾くことは叶わなかったけど、
一生懸命オーディションに挑戦した子、
友達を応援した子、
「来年こそは!」と頑張った子もいます。

そのすべての子たちが、
私にとっては何よりの誇りですし、挑戦することで演奏力が格段にあがりました!


合唱祭の伴奏は、誰もが経験できるものではありません。
学校によってはオーディションがあり、
選ばれるのはたった一人。(ただ、理不尽なオーディションも散々みてきましたので、«うまく弾けてないわけじゃない!みんな上手よ!≫って思ってます。笑)

でも、私はいつも思います。
“立候補する”というその一歩が、何よりの成長。

弾けるかどうかの前に、
「やってみたい」「挑戦してみたい」と思えたことに、大きな拍手を送っています。

それを勇気を出して、お母さんや先生、友達に伝えたこと。
その一歩が、ピアノを通して学んでほしい大切な力です。

挑戦しようと思ったことで、もうすでに、その子は一歩上達してます!
そりゃ、
「怖い」「恥ずかしい」と思う気持ちもあるはずですし、

「選ばれなかったら嫌だな」と思うはずです。


でも、その気持ちを乗り越えて、一生懸命ピアノに取り組む。

それが何よりも大事なことで、みんなのその頑張る気持ちを、しっかりと応援したいなと思っています。


合唱の伴奏は、思っているよりもずっと難しいです。
テンポを守りながら、歌を聴いて、音のバランスを取る。
一人で弾くピアノとは違って、
“誰かと一緒に音楽をつくる”責任が生まれます。

オーディション前には、
「ここが弾けない」「手が届かない」「歌についていけない」「間違えて止まる」
というところがみんなあったと思います。

レッスンでは弾けてても、歌がはいるとまた違いますよね。

でも、子どもたちは、逃げ出さずにしっかりと苦手と向き合い、レッスンでは「学校でこうだった」とお話してくれて、そこを一緒に改善していき、少しずつ弾けるようになっていきます。


オーディションに落ちてしまって、
悔しい思いをした子もいます。

「うまく弾けなかった」

その気持ちは、
“本気で頑張った”子にしか出てきませんよね。

明るく言ってても、きっと「悔しい」「悲しい」があるはずです。

私もその気持ちは痛いほどわかるので、その時は、一緒に悔しがって、一緒に前を向く時間を作るようにしています。

でも、結果はどうであっても、
挑戦した事実はずっとその子の力になります。

そして悔しい思いをした子は、不思議なことに、
翌年や次の舞台で大きく伸びるんです。


挑戦の積み重ねが、
“音で伝える”力を育ててくれます。

だから、どうか諦めないで、次の舞台を目指してほしい。それが先生としての願いです。


伴奏を経験した子たちは、
レッスンの中でも“聴く耳”がぐんと育ちます。

歌や他のパートを聴きながら弾くことで、
自然と「音を聴く」「バランスを考える」感覚が身につきます。

音楽は、競争ではなく“共奏”。

誰かと一緒に音を合わせることの喜びを知ると、
ピアノがもっと深く、あたたかくなるように思います。


ピアノを通して学んでほしいのは、
「うまく弾けること」よりも、
「心を込めて音を届けること」

今年もたくさんの子どもたちが、
それぞれのやり方でその気持ちを見せてくれました。

伴奏という責任ある立場に挑戦したこと、
うまくいかない日もあきらめなかったこと、

そのすべてが“挑戦するピアノ時間”なんですよね。

教室での小さな努力が、
学校のステージにつながっていく。
その過程を見られることが、
先生として何よりの幸せです。

だからかな。

年々、みんなの成長の過程をみているので、発表会はたくさんの想いも溢れてきてしまいます。

みんなの努力はしっかりと先生の胸に刻み込まれていますよ!