「やめたい気持ち」から気づいたこと


先週は体調不良で2名の生徒さんがお休みでした。
おふたりともピアノがとっても大好きで、レッスン中によく笑ってくれる明るい子たちなので、教室が少し静かに感じてしまいました。
やっぱり、元気な笑顔と音がそろうと、教室全体が一層あたたかくなるんだなぁと実感します。

早く元気になりますように。

実は最近、うちの息子が「やめたい病」にかかっていまして(笑)。
始めたときはキラキラした目で取り組んでいたことも、ある日突然、「やめたい」と言い出すことってありますよね。

私はというと、どちらかというと「中途半端にやめたら周りに迷惑がかかるかも…」「いったんやめたらもう戻れなくなるかも…」と、やめることに慎重になりがちです。

なので、つい「もう少し頑張ってみたら?」という気持ちが先に立ってしまいます。

でも息子がまわりの人に相談して返ってきた言葉が、

「辞めたかったらやめてもいいんじゃない?」
「イヤイヤ続けてもっと嫌になっちゃうより、またやりたくなった時にやればいいよ」

というものでした。

少し寂しい気持ちになりました。


でもそれと同時に、「ああ、気持ちに寄り添って辛いことを我慢しなくていいよと思ってくれてる言葉なんだな」とも感じました。


そこでふと、自分の教室のことを思い出しました。

これまで、生徒さんが退会を申し出てくださったとき、

「先生に引き止められるのも負担かな…」
「ほかにも頑張ってることを知っているから、応援してあげたいな」

そんな思いから、明るく、「そっか!頑張ってね!わかりました」と受け入れることもありました。

でも、もしかすると……
「寂しいな」「もう少し一緒に頑張ってみない?」

そんな気持ちも、ちゃんと伝えることで、生徒さんに「大切に思ってるよ」と感じてもらえたかもしれないな、と気づきました。

選ぶのは子ども自身。でも、大人が伝えたい気持ちもあっていい。


やめる・やめないの選択は、もちろん子ども自身やご家庭が決めること。

でも、大人として、先生として、「あなたがいてくれて嬉しかったよ」「寂しいよ」っていう気持ちも、伝えていいんだなと思いました。

それはきっと、プレッシャーではなく、「自分はここに必要とされていたんだ」と感じてもらえるあたたかな記憶として、心に残るのではないかなと思うのです。

ピアノは、続けていく中で楽しいことも、大変なことも、いろんな山あり谷ありがあります。
その中で、どんな気持ちになったとしても、いつでも戻ってこられる場所でありたいと、あらためて思いました。

お読みいただき、ありがとうございました。