練習しないので先生から言ってください!

「うちの子、全然練習しなくて…」


「言ってもやらないから、もう先生に怒ってほしいです!」

「一回ガツンと言ってやってください!」

保護者の方から、そんなお声をいただくことがあります。

わかります!!(笑)

親としての気持ち、私もよく思うので、すごくよくわかります。
私も母親ですので、“親のいうことなんて全く聞かないんだからっ!親以外にガツンと言ってもらわないと何にも変わらないし響かないわっ!!!”とよく思ってます。笑

でも、先生の立場で考えると——

その親の気持ちに沿ってレッスンすることは難しいなと思っています。笑

ピアノのレッスンは、週にたった30分。


この貴重な時間の中で注意が増えてくると、
子どもにとって教室が「嫌な場所」になってしまいます。

特に中高生は、“怒られたくないからやる”という時期ではありません。
むしろ反発すらしたくなる年頃。

もしくは、言われて「やば!」と思っても、それって長続きしないんですよね…
それよりも、「自分で納得して動くこと」ができる年齢になってきています。


難しいですね。笑


「怒る」という言葉の本当の意味

もちろん、保護者の方の気持ちはただただ怒るではなく、
「先生からもきちんと伝えてください」
「親だけじゃ響かないから、背中を押してあげてください」

そんな気持ちが込められていると受け取っています。


実際に、私も「前回と変わっていない」「弾く前に気を付けることを頭に入れてから弾いてない」などが見えてるときは、必要なことはきちんと伝えています。


「怒られる場所」ではなく「行きたくなる場所」に

私が大切にしているのは、“練習していなくても来たくなる教室”であること。
もちろん練習してきたら、たくさん褒めます。
でも練習できなかったときも、できた部分を見つけて「ここはよかったよ」と伝えるようにしています。

練習してなくても、「行けばレッスンで弾いてうまくなれる」「先生と話せば元気が出る」
そんな場所でありたいと思っているんです。


ピアノは、練習すれば上達していきます。
でも、「楽しい」「できた!」という気持ちが、長く続ける原動力になります。

怒られて練習するのではなく、「やってみようかな」って思える気持ちを育てていくこと。
それが私の目指すレッスンです。


自分からやる気がでるのに、何年もかかることもあるかもしれません。
もしくは、ずっと習ってても親が思っているようなやる気は出ないかもしれません。
でも、その中でも、子どもなりに「がんばろう」としていたり、「ちょっと楽しいかも」と思ってくれているのだろうなとも思っています(←自分にも言い聞かせてます。笑)

これからも、そんな子どもたちのペースに寄り添って、サポートしていけたらと思っています。